1950年代 ハーフローター
ルクルト初期の自動巻きフューチャーマチック・Future Maticです。
近未来をイメージした独創的なデザインが目を引きます。
一般的な機械式の時計には3時位置付近に時刻合わせのためのリューズがありますが、フューチャーマチックには存在しません。リューズに相当する機能はケース裏側のフラットな回転ボタンが担っています。
*時刻合わせのみです。ゼンマイは巻けません。
ケースは10KGF金張りです。
搭載されているムーブメントはCal.497の自動巻きハーフローターです。
一般的な自動巻きは自動巻き用のゼンマイを使用しますが、フューチャーマッチックは手巻き用のゼンマイを使用しています。
手巻き用のゼンマイは巻止まりがあることを前提として作られているため、巻き過ぎると切れてしまいますが、自動巻きはゼンマイの巻止まりがありません。この矛盾を解消するために、Cal.497はゼンマイが巻き上がると自動的にローターがロックされる機能を持っています。
さらには秒針停止のハック機能とパワーリザーブ機能も備えた複雑な構造をしています。
*バンパーはありません。
文字盤は、デザイン性の高いクサビインデックスが太目のドルフィンハンドとマッチして、とても魅力的です。3時位置にはスモールセコンド、9時位置にはパワーリザーブを配しています。
1950年代に作られた、独創的かつ画期的な、存在感のあるモデルです。
=ゼンマイの巻上げ=
初期の自動巻き半回転機構です。現在のような全回転式に比べると巻上げ効率が劣ります。
使用始めにはゆっくり20~30回ほど時計を振ってゼンマイを巻き上げてください。
バンパー式とは異なり、強く振ると負荷がかかります。
3時位置を下にして振ると効率良く巻けます。
=パワーリザーブ=
9時位置の針はパワーリザーブインジケーターです。
約30時間のパワーリザーブがあります。
ゼンマイが巻き上がると自動的にロックがかかりローターが回転しなくなります。
=時刻合わせ=
一般的な竜頭がありません。
竜頭の機能は裏蓋の回転ボタンを押し込みながら操作ます。
中心に向け平行移動させると秒針が停止し、運針が可能となります。
ケースサイズ
縦:約45mm、幅:約35mm、ラグ:約18mm、厚さ:約12mm(裏蓋の竜頭含まず)
文字盤:程よく色づいています。僅かなシミが見られますが、綺麗な状態です。
ケース:僅かな傷が見られる程度で綺麗な状態です。