お預かりした腕時計
天真が折れて不動状態
天真とは時計の心臓部にあたるテンプ(クルクル回る部品)の中心軸のこと。
この部分は01mm程度とかなり細いので衝撃が加わると容易に壊れてしまう。
折れたり歪んだりすると時計が動きを止めてしまうので交換するか再製作が必要です。
画像はクロノグラフでチラネジテンプと呼ばれる構造。
耐震装置が付いていない時代のモデルなので衝撃を受けると壊れます。
こちらの時計は落下したとのことで折れてしまった。
テンプ部分を外した状態
天真の先端が折れたため時計が動かなくなる
天輪受けから天輪を外した状態
中心の天真を外すところ
壊れないようにポンス台とタガネ鏨を使って振り座と天真を外す
天輪から天真を外した状態
テンプ部分を構成する部品
受け、天輪、天真、振り座、止め具、ヒゲゼンマイ
折れた天真と交換する天真
分解したら組み立てる
新しい天真に止め具をはめ込む
ポンスとタガネを使って天輪に天真を圧入するカシメ作業
天輪に天真を圧入した状態
天真を入れたら天輪に振り座を装着する
同じようにタガネで振り座を圧入
圧入した状態
ヒゲゼンマイを天真に圧入する
圧入した状態
最後に天輪の振れ取りをして、受けを入れて交換終了
●転用はお断りします。