運針の際の『反時計回し』について

オールドインター
*画像はオールドインター

時刻やカレンダーを合わせるときに針を反時計回り(逆回し)に回転してもよいかというご質問を頂くことがあります。

針を反時計回りに回しても、壊れることは稀です。

しかしアンティークウォッチは個体の状態がそれぞれ異なるので、絶対に大丈夫とは断言はできません。

そのため私共は、運針はなるべく時計回り(順回し)で行うことが望ましいと考えております。

少し針を戻すだけなら反時計回しの方が部品の磨耗も少なく効率的であると言えますが、基本的に『ムーブメントは時計回りの運針を想定して設計されている』ので、設計の意図通りに操作した方が故障の確率は低くなります。

ハミルトン 懐中時計 ミリタリー
*画像はハミルトン軍用懐中時計のムーブメント

カレンダー機能つきのモデルですと、反時計回りで針を回すとカレンダーがピッタリ切り替わらず、窓に日付が出ないことがあります。カレンダーの円盤(日車といいます)は時計回りに動くように設計されているので、誤差が生じるためです。

日車(カレンダー円盤)

カレンダー早送り機能つきのモデルで、8時~12時辺りで針を往復させてクイックチェンジする構造のムーブメントの場合は、12時から8時への反時計回りを想定して設計されているので問題はありません。

ただし、アンティークウォッチはどのような操作もやり過ぎないようにご注意ください。

*画像はすべてイメージです。