アンティークウォッチを愛でる道具『キズミ』

キズミとは時計用ルーペのことです。漢字では「傷見」と書きます。

これです。
ベルジョン キズミ

時計師や修理技師が目に装着して使用するルーペです。キズミを目に当てて、頭や対象物を動かしてピントを合わせて使います。針金のようなものを頭に巻いて装着したり、目の周りのくぼみに直接装着してる姿をご存知の方も多いのではないでしょうか。
これを使うと機械式腕時計の小さい部品も大きく見えるので、作業しやすくなります。

ムーブメントに触れるときの必需品ですが、愛好家の方も持っていて損はないグッズだと思います。

キズミで見るアンティークウォッチは格別です。眺めていると時間を忘れてしまいます。インデックスの精密さや、針の繊細さなど、拡大したからこそ分かる当時の職人さんの手作業と技術に感動します。

肉眼では見えなかった傷やスポット(文字盤の斑点)を発見することもありますが、それも自分だけの秘密のようで愛着のポイントになったりします。

ちなみに、私どもはBERGEON(ベルジョン/スイスの時計工具メーカー)社のNO.4422の2(5倍率)を使用しています。
プラスチック製なので軽いですし、水洗いも出来るので清潔です。

倍率の好みには個人差があると思いますが、倍率は高すぎない方が良いと思います。
私どもは15倍のキズミ(画像右側)も持っていますが、ほとんど使用しません。
ベルジョン キズミ

キズミの場合は倍率が高いと対象物との距離が近くなるので、キズミと時計が接触する可能性があります。時計を傷つけたり、目の周りを痛めたりする恐れがあるため注意が必要です。

キズミは東急ハンズやアマゾン、ヨドバシカメラなどで購入できます。ベルジョン以外にもメーカーは多数ありますし、素材も木製や金属製など見た目が素敵なものもあります。機能が同じでも琴線に触れたものは持っているだけで気持ちが弾みますよね。

お好みのキズミで、ご愛用の時計を拡大して愛でる至福の時間をお過ごしください。
アンティークウォッチを愛でる以外にも、いろいろ拡大して観察するのもとても面白いのでオススメです。

*お買い求めの際はあまりにも安価なものは避けられた方が無難です。
理由は2つ。
1.レンズのピントが合いにくいものがある。
2.肌に当たる部分の処理が粗いものが多く、使用時に痛かったり顔に傷がつく恐れがある。
くれぐれもご注意くださいませ。

*ご参考までに、ベルジョンのキズミはパッケージの数字=倍率ではありません。NO.4422の対応は下記の通りです。
パッケージの数字/倍率
1.5/6.7倍
2.0/5.0倍
2.5/4.0倍
3.0/3.3倍

2016年9月1日 | カテゴリー :