最初のアンティークウォッチは何を買えばよいですか?というご質問を頂くことがあります。
「たくさんご覧になって目が肥えてから、好きなものを買うのが一番です」というのが模範解答でしょう。
模範解答は重々承知しておりますが、私は「強く心が動いたものを」と答えます。
私がアンティークウォッチに魅了されたきっかけはエニカのトリプルカレンダーです。
なんの知識もなく一目ぼれして衝動買いでした。エニカを大切にするためにアンティークウォッチの取り扱い方を調べて、エニカ社の歴史を調べました。
調べても調べても尽きることのないアンティークウォッチの世界の面白さに夢中になり、今はショップを運営しています。
そんな自身の経験から、インスピレーションが最も大切だと思っています。
知識ももちろん大切ですし、見る目を養うことも大切です。しかし失敗を恐れるあまり出会いを見逃してしまうこともあります。アンティークウォッチは一期一会だということも、忘れてはならない大切なことです。
さて、そうは申しましても「強く心が動いたもの」だけでは漠然としていて無責任な感じもしますし、私のように後先考えず買うのは不安だという方もいらっしゃると思いますので、初めてのアンティークウォッチとして検討する価値がある(と私が思っている)『オメガ 30mmキャリバー』をご紹介します。
個人的な見解ですが、オメガの30ミリキャリバーはアンティークウォッチの入門機として最適だと思います。
■理由1.ムーブメントが丈夫。
30mmというのはムーブメントの大きさです。アンティークウォッチのムーブメントの中では大きいサイズです。
ムーブメントが大きいということは、部品も大きいということです。
部品が大きいということは、頑丈で耐久性も高く、メンテナンスしやすいということです。
■理由2.現行品に近い大きさなので違和感が少ない。
アンティークウォッチは小ぶりなものが多いので、当時のメンズサイズでも初めてご覧になられた方はレディースと間違われることがあります。
30mmキャリバーはムーブメントが3cmですので、ケースサイズはそれより一回り大きく、アンティークウォッチを見慣れていない方でも違和感が少ないと思います。
■理由3.デザインが豊富。
30mmキャリバーを搭載したモデルは多数あります。
流通数も多いので、琴線に触れる個体にきっと出会えることと思います。
*googleで30mmキャリバーを画像検索をすると様々なデザインを楽しめます!
オメガ30mmキャリバーは、初めての方でも安心して永くご愛用いただける名品だと思います。
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コレクションの30mmキャリバーは裏蓋がスケルトン(通称:裏スケ)です。前のオーナーがスケルトン加工を施したようです。金メッキの美しいムーブメントをいつでも楽しめます。