Enicar エニカ

私がアンティークウォッチに魅了されるきっかけになった、個人的に非常に思い入れの深いブランド『Enicar エニカ』をご紹介します。

私の宝物。エニカ トリプルカレンダー(1960年代)
エニカ トリプルカレンダー*画像の日時は«6月14日(金曜日)10時8分20秒»です。
*宝物なので非売品です。

この時計に出会った当時はエニカ社を知らなかったのですが、可愛らしい佇まいに一目ぼれしました。

1960年代のものがこんなに綺麗な状態で残っていることに驚き、デザインの可愛らしさに驚き、複雑なカレンダー(特にポインターデイト)に驚き、今でも動いていることに驚き、と驚きの連続で、その時の衝撃を今も鮮明に覚えています。

この個体が乗り越えてきた年月に思いを馳せ、自分のもとに巡ってきたことに感動を覚え、この歴史を止めてはいけないと強く思いました。

 

さて、印象的な土星のマークと社名が可愛らしいエニカ社ですが、歴史と実績のある時計メーカーでした。

・創業:1854年創業

・創業地:スイス グランジュ(Granges)

・創業者:アリスト・ラシーヌ(Ariste Racine)とラシーヌ一族

・1914年:苗字を逆さに綴ったブランド「Enicar」設立
高精度な懐中時計は欧米で鉄道時計や軍の公式時計として採用されました。

・1930年:スイスのビエンヌ(Bienne)に工場を移転

・1951年:日本に正式輸入され、手の届く舶来時計として人気を博しました。

・代表モデル1:シェルパシリーズ(Sherpa)
シェルパ・タイム、シェルパ・ウルトラダイブ、シェルパ・スター、シェルパ・ジェットなど。
腐食性の高い海水、高圧、急速な温度変化という極めて過酷な環境に耐久する設計を採用し、プロのパイロットやダイバー、レーサー達が愛用したことで知られています。
1956年にスイスのヒマラヤ・エベレスト探検隊に採用され、日本では1959年から2年間、南極観測隊に公式採用されました。

・代表モデル2:ウルトラソニック
日本でも多く流通したモデルです。デザインが豊富で魅力的です。

・現在:
1970年代のクォーツショックに巻き込まれ、1988年に商標は香港人実業家に買収されました。現在のエニカ社とオールドエニカは別物と考えて差し支えないと思います。

 

オールドエニカの魅力が少しでも伝われば幸いです。

当店取り扱いのエニカは↓こちらをご覧ください。
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